リゾートバイトの現実【デメリット編】
「リゾートバイトをはじめよう!」と派遣会社のウェブページを開くと、キラキラした情報が満載で、圧倒されてしまいます。夏はビーチリゾートやテーマパーク、冬ならゲレンデ。
美しい風景、若い男女がはしゃぐ写真の数々、「稼げる、出会える、楽しめる、経験できる」といった良いことばかり強調されたキャッチコピーを見れば、バラ色のリゾバライフを想像してしまうかもしれません。
しかしぶっちゃけ、リゾバの現実はなかなか厳しい面もありますので、ここではわたしのこれまでのリゾバ経験を元に、リゾバのリアルをお伝えしたいと思います。
なぜネット上にはリゾートバイトの美談であふれかえっているのか
それは、リゾバ記事の大部分が「アフィリエイト目的」で書かれているからです。
ブログ読者がリゾバ記事経由で、リゾバ専門の派遣会社に登録すると、ブログ運営者は報酬をもらえます。そのため沢山メリットを並べ立てて、どうにか派遣登録まで結びつけようというわけです。
アフィリエイト自体は、ブログを続けるうえでのモチベーションに繋がるので、それを否定する気はありません(というか、わたしもアフィリエイトを導入しています)。
しかし自分の利益のために、他者が「こんなはずじゃなかった」となるのが分かっているのに、不都合を隠すのは人としてどうなんだろうと思うのです。
読者の方には、メリット・デメリット両面を知ったうえで、それでもリゾバをやってみたいなら、ぜひ挑戦してほしいと思っています。
リゾートバイトの手厚い待遇とその理由
リゾートバイトをするメリットとして、交通費無料、寮費無料、食費無料が挙げられます。(正確にはすべて無料の派遣先と、一部補助の派遣先があります)。
ではなぜ、これらの経費をかけてまで、ホテルや旅館やリゾート施設は人を集めようとするのでしょう。
答えは簡単です。
そうしないと、人が集まらないからです。
表立って語られることのない、リゾートバイトのデメリット
人間関係が悪い
「宿泊業、飲食サービス業」は給料が安いので、優秀な人材を集めるのは難しいです。そのため、他の仕事でなら採用されないような人でも、採用されてしまうことがあります。
ホワイト業種で働いた経験のある人が、リゾバの現場で驚くのは、感情の起伏の激しい人が多いことです。思い通りにいかなかったり、忙しかったりすると、人に当たったり、言葉を荒げる人がいます。人のうわさ話が好きな人も多いです。そういう人たちと上手くやっていくのは、想像以上に大変だったりします。
それと、現場の正社員やパートさんの給料は、派遣より低いことがあります。また、派遣は寮費や食費が無料ですが、それを妬む人がいます。正社員や現地パートさんは大抵自己負担なので、ズルいと思ってしまうのでしょう。
また、派遣に一から仕事を教えるのにうんざりして、教え方がなおざりになってしまう人もいます。これは相手の立場からすればやむを得ない気もします。熱心に教えたところで、どうせ1~3か月でいなくなる。そしてまた新しい人が来たら1から教えなおし、ですからね。
ちなみに派遣同士は立場が同じなので、仲良くなれることが多いです。ただ派遣のほうも電話面接だけで誰でも採用されるので、変わった人も一定数混じっています。
自律神経が乱れがちになる
リゾバの仕事は、6:00~10:00/18:00~22:00 のような中抜けシフトや、9:00~18:00、13:00~22:00のような通しシフトがあります。
早朝から勤務の日があったり、お昼からの日があったり、毎日ばらばらなので、生活リズムがなかなか整わないのです。睡眠の質も悪くなりがちで、そのせいか働くうちに疲れが蓄積されていくように感じます。
思っているほどは稼げない
一般的なリゾバの時給1000円前後です(繁忙期、仲居や調理の仕事はもう少し高いです)。わたしの場合、これまで貰ってきたお給料は月に13~20万代前半くらいです。
これ以上稼ぐには、時給が平均より高いところで働くか、残業するかになります。残業が多いかどうかは、時期やホテルの稼働率、コロナの状況などに左右されるので、「2か月で50~60万稼げる!」という謳い文句などは、あまりあてにしないようにしたいところです。
スキルが身につかない
リゾバの仕事は単純労働です。接客(おもてなし)のスキルが身に着くという反論があるかもしれませんが、サービス業の給与は安いので、接客スキルを身に着けても給与に反映されにくいです。
外国人の多い派遣先なら、英語や中国語を使うから、語学のスキルが伸びるんじゃないか。実はわたしも英語を勉強しているので、リゾバで語学力アップを図りたいと思っていたのですが、たまに英語を使うことがあっても、「〇〇はどこにありますか?」「クレジットカードは使えますか?」みたいな単純なやりとりばかりなので、語学力は伸びませんでした。
「聞いてないよ!」なことが頻発する
これまでわたしの身に降りかかった「聞いてないよ」の数々を披露いたします。
1件目
- フロントの仕事を希望していたのに、売店に回された。
- 英語をいかせる仕事のはずが、ぜんぜん外国人が来なかった。
2件目
- 英語をいかせる仕事のはずが、ぜんぜん外国人が来なかった。
- 寮にお風呂がなかった。(毎日お客さんと同じ大浴場を利用)
- 真冬なのに暖房をつけてもらえず、震えながら働いた。
3件目
- なんでもいいので白ワイシャツ持参と聞いていたが、実際は半そでシャツのボタンダウンシャツという指定があった。
- 三角巾持参というのを現地で初めて知り、休日に買いにいった。
4件目
- 着いてみたら社員寮に空きがなく、しばらく客室寮にいた。
- 途中退職した派遣はいないと聞いていたのに、ひと月に4人も辞めていた。
- 三食無料とは言うものの、朝食は「ごはんと味噌汁のみ」だった。
5件目
- 途中退職はいないと聞いていたのに、人がバタバタ辞める職場だった。
- インフルエンザの予防接種を一部自己負担で受けさせられた。
6件目
- 人間関係が良い職場だと聞いていたのに、地雷みたいな社員がいた。
- 派遣用の寮に入るはずが、客室寮に変更になった。
派遣会社の求人票に、「人間関係が良好な職場です」とあっても、あてにしないほうが良いです。それから人間関係の良い職場だと聞いていても、入退職や人事異動などで、人間関係が変わっていることがあります。
とにかく事前にどれだけ念入りに質問しても、聞いてないことは起こるので、最初から覚悟しておくことをお勧めします。
寮の詳細が分からない
派遣会社によっては、寮の写真が事前に見れるのですが、細かい設備や備品までは、派遣会社の人も把握していなかったりします。ガス台、冷蔵庫、洗濯機、電子レンジ、シャンプー、タオルに至るまで、なんでも揃っているところもあれば、ハンガー1本さえ置いてないようなところもあります。
重すぎてうなされそうな布団、首がつりそうになる高い枕を使うはめになったり、カーテンがなくて室内が外から丸見えだったり、寮も本当にさまざまでした。
ごはんが微妙
まかないもリゾバ先によって落差が激しいです。バイキング式のレストランでは、お客さんと同じものが食べられ大満足だったのですが、あるホテルでは、お昼にレトルト牛丼を出されたことがあります。
全体的な満足度としては40%くらいかなと感じます。
リゾート=田舎、山奥、僻地
リゾート地というと聞こえがいいのですが、言い換えれば田舎、山奥、僻地ということになります。田舎、山奥、僻地では競争が少ないので、物価が都会よりもかえって高くなります。
例えば、あるとき絆創膏が必要になったのですが、100均が近くになかったので、薬局で購入したところ、400円もしました。
また、気分転換できるところが、近くにないこともあります。ある僻地では、周りに何もなさ過ぎて、最寄りのカフェまで往復3時間かけて、お茶を飲みに行っていました。
コロナ禍のような状況では、リゾバ自体ができなくなる
緊急事態宣言が出されていたころ、ホテルが軒並み休業して、リゾートバイトの仕事自体がなくなった時期がありました。派遣が不安定な立場だということは、こういうときに身をもって実感します。
最後に
少し辛口になってしまいましたが、リゾートバイトにはメリットもデメリットもあります。別の記事ではメリットについてまとめていますので合わせてお読みいただければ幸いです。